訪問介護(ホームヘルパー)の業務は身体介護と生活援助の二つに大きく分かれます。
身体介護は排泄・入浴・食事介助など直接、利用者の身体に触れる行為が中心です。
一方の生活援助は、調理・掃除・買い物・洗濯など家事を担う行為が中心です。
調理・掃除・買い物自体はどれも家族・知人が「代行」できる行為です。
しかし、ヘルパーが行う生活援助サービスは「家事代行」ではなく、利用者の生活の維持・向上を目指す専門性をもった観察をするサービスです。
ヘルパーが専門職としてサービスを提供する場合、「主体性の尊重」を重視し、その人らしい生活をその人の持っている力を活用しながら、気力を引き出すのが介護の目的です。
今回は暮らしに欠かせない「生活援助」の業務の中でも「調理」に焦点を当ててご紹介します。
「調理」は栄養バランスと季節感のある料理を利用者の家にあるもので作り、食欲を促す盛り付けを行います。
ヘルパーは訪問したお宅にある材料で「蒸す」・「焼く」・「炒める」の基本でメニューを瞬時に思いつくといいます。
食べることが最大の楽しみという人は少なくありません。
料理ができる過程を音や香り、人の動きなど五感で感じることで、身体が食べる準備をします。
これほど重要な食べることに対しては、工夫できる裁量を最大限引き出すことがヘルパーに求められます。
引用:おはよう21 2014年6月号 中央法規出版
なお、身体介護の扱いになりますが、「特段の専門的配慮をもって行う調理」も行います。
これは単に食材を通常より細かく調理することやトロミをつけるだけの調理ではなく、医師の指示等に基づき利用者の方の心身の状況や生活状況などを勘案した上で、熱量、蛋白質量、脂質量等の食事内容について配慮を行い、腎臓病食、肝臓病食、糖尿病食、胃潰瘍食、貧血食、高脂血症食、痛風食、嚥下困難者のための流動食等といった特別食を調理します。
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